上:市販のLM7815
下:製作したSLN7815
製作したSLN78シリーズの3端子レギュレータのノイズを
市販の3端子レギュレータと比較測定してみました。
ACミリボルトメータでの測定で差異は明らかになっているのですが
ビジュアルなアピールをしたくFFT Analayzerを使える環境を整えました。
使用したCPUはiMac (Early 2009) 27"
ソフトはElectroacoustics Toolbox
iMacのLine入力(Optical)はS/PDIFでその仕様は以下のようになっています。
この機能を使わない手はありません!
■FSI – 入力サンプルレート:44.1 kHz、48 kHz、または 96 kHz
■ビット/サンプル:16、20、または 24
■S/N 比 (Signal-to-Noise Ratio:SNR):>130 dB
■全高調波ひずみ + ノイズ (THD+N):<-130 dB (0.0003%)
上述の仕様から
測定器としてアナログ電圧をS/PDIFに変換する機材を選定しました。
機材1として
数年前に購入したシーラスロジック社のアナログ-S/PDIF変換評価基板。
CS5396(96KHz,24bits)
機材2として
Native Instruments社の
KOMPLETE AUDIO6のS/PIDF及びUSB接続。
CS4270(192KHz,24bits)
性能的(S/N)には同等でしたので
使い勝手の良さから
KOMPLETE AUDIO6のUSB接続で試験しました。
理由は
シーラスロジック社のアナログ-S/PDIF変換評価基板を
使用するにあたり入力に増幅器を追加しないと
今回のノイズは測定できません。
試験時にはTEKTORONIX社のTM501Aという
Differential Amplifier を使用しました。
Native Instruments社の
KOMPLETE AUDIO6は入力段に増幅部がありますので
そのまま使用できます。
3端子レギュレータ(15V)の試験条件は
300mAを通電した状態でおこないました。
入力電圧:20V
負荷抵抗:50Ω
Electroacoustics Toolboxの
キャリブレーションはFunction Generatorから
正確な信号を送り校正後、試験しました。
測定結果
黄色:LM7815
緑色:製作したSLN7815
紫色:KOMPLETE AUDIO6単体のノイズフロアー
8KHz,16KHzのピークはKOMPLETE AUDIO6個体のノイズで
レギュレータのノイズではありません。
シーラスロジック社のアナログ-S/PDIF変換評価基板での実験では
このようなノイズは皆無でした。
LM7815のデータシートでは
Output Noise Voltageが
10Hz~100KHzにおいて
typ.90uVとなっています。
LM7815の入出力には
良質なタンタルコンデンサーを実装してあります。
そのかい合ってか、なかなか良いスペクトラムです。
より、差がビジュアルに判別できるように
両軸をリニア目盛りにしてみました。
SLNの名に恥じないローノイズな3端子レギュレータに仕上がっています。
SLN:Super Low Noise
黄色:LM7815
緑色:製作したSLN7815
紫色:KOMPLETE AUDIO6単体のノイズフロアー
まだ測定項目が残っています。
PSRR,Step Response,etc.
PSRR測定に関して専用の治具を思案中です。
データ収集のたびにiMacのまえに出かけるのは?大変ですので
iMacのMini Display Portから
DVI or Display Port or HDMIに変換できるアダプターを購入しました。
20インチモニターにDVI接続で表示
液晶TV32"にHDMI接続で表示
DVIとHDMIを同時には使用できませんが
便利に使えるアダプターでした。